料理教室や食育セミナー、栄養相談などを主催するとき、肩書きを名乗りたいですよね。
あなたならどんな肩書きで料理教室をしますか？
「料理好きな主婦です」と名乗るより資格を名乗ったほうが信憑性が増します。
しかし、勝手に名乗ってはいけない資格もあるのです。
今回は『栄養士・管理栄養士・調理師』に共通する名称独占資格についてお話しします。
名称独占資格とは
名称独占と書かれているとおり、栄養士は“栄養士という資格名”を独占的に使用できます。
栄養士ではない人は栄養士を名乗って情報発信をしてはいけません。“栄養士”と似ている肩書きを使用することも禁止されています。
管理栄養士、調理師も同じです。
栄養士法、調理師法には以下のような記載があります。
第六条 栄養士でなければ、栄養士又はこれに類似する名称を用いて第一条第一項に規定する業務を行つてはならない。②管理栄養士でなければ、管理栄養士又はこれに類似する名称を用いて第一条第二項に規定する業務を行つてはならない。
栄養士法
https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=78317000&dataType=0&pageNo=1
第八条 調理師でなければ、調理師又はこれに紛らわしい名称を用いてはならない。
調理師法
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=333AC0100000147
資格を名乗らなければいいの？
たとえば資格をもっていない人が自宅で料理教室を開きたい…という時。
「栄養士の料理教室」としたらアウトですが、ただの「料理教室」なら問題ないのです。
栄養士、管理栄養士、調理師のような名称独占資格を名乗らずに活動することは可能です。
違反するとどうなるの？
栄養士ではないのに栄養士を名乗ったり、栄養士っぽい肩書きで活動した場合には罰則があります。
名称独占資格に違反した場合の罰則は、30万円以下の罰金刑です。
まとめ
医師や美容師などは業務独占資格と言って、資格のない人がその専門的な業務をすることはできません。素人がする医療行為なんて怖すぎますよね…。
一方で、栄養士や調理師のような名称独占資格は名乗らなければその業務をすることができます。
もし栄養士や調理師が業務独占資格だったら…お母さんが子どもに野菜を食べなさいって栄養のことを伝えることも、お父さんが家族のためにごはんを作ることもできなくなってしまいます。
だから栄養士や調理師は名称独占資格なんだ、と覚えてください。
