割り箸の袋に「おてもと」と書かれていることがあります。
なぜ「わりばし」ではなく「おてもと」と書かれているのでしょうか。
おてもとってなんだろう?
日本料理には箸が2種類あった
日本料理(懐石料理)では箸が2種類用意されることがあります。
- 取り箸…取り分け用
- 手もと箸…個人用
それぞれ見ていきましょう。
取り箸
日本料理の八寸などは大勢で取り分けて食べる場合に“取り箸”が用意されます。
取り分けにつかうお箸ですね。
現在の家庭でいえば菜箸やサラダトングのような位置付けと思ってください。それで直接食べるのではなく、みんなの皿へ取り分けるために使用するものです。
手もと箸
お客様の一番近いところ、手元に置くお箸です。
手もと箸は個人用として使います。
直接料理をとり、口に運ぶお箸です。
お箸の話
「お手もと箸をお使いください」のように丁寧にお客様にお伝えしていたものが“おてもと”と省略され、現在の割り箸の袋に印字されるようになりました。
悪いイメージを避けるための表現
昔の人は文字や音から悪いイメージを感じとるとそれを避けたり、別の表現をしたりしました。
病院に4階が存在しないのは4(死)の印象があるから、というのと同じです。
箸(はし)には端(は)、死(し)と言った忌み言葉を避けたという説もあります。
忌み言葉(いみことば)とは
忌み言葉とは、縁起のよくない言葉や表現を指します。
結婚式での「別れ」「離れる」、お葬式での「重ね重ね」「再び」「追う」などもこれに含まれます。
受験生に「すべる」「落ちる」という言葉も避けますよね。
忌み言葉を避け、相手を思いやる表現をするようにしましょう^ ^
まとめ
「おてもと」は丁寧な表現でした。
外食の際に「おてもと」と書かれた割り箸を見つけたら家族に教えてあげてくださいね^ ^
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